メディカルチェックの勧め/お願い

日本にダイビングが入ってから50年以上経過し、当時のダイビングの環境と比べ、ダイビング器材と指導法の発展で、今では多くの方がスクーバダイビングで素晴らしい海中世界を楽しむ事が出来るようになりました。年齢層も10代の若者から60代、70代、80代と多年層にわたり、また身体に障害を持つ方もダイビングを楽しむ事ができる時代になって来ております。それに伴いダイビングの事故も増えてきている事も事実です。無謀なダイビング計画、技術不足、経験不足、安易なダイビング計画などダイビングの事故には色々な原因が考えられます。その事故の原因の中にダイビング参加者の身体的な問題がダイビング中に発生、その結果ダイビングのトラブルに繋がったケースがここ数年多くなってきておりますことを、ダイビングを楽しんでいる皆様にお知らせしなければいけないと考えます。脳における疾患、循環器(心臓等)における疾患、呼吸器(気管支、肺等)における疾患など、これら疾患は高齢者はもちろん十分配慮をしなければいけませんが、近年は生活習慣病等若者層にも起こってきております。そのため若者も含めダイビングを行うすべての方に、ダイビングの安全性を高めるために、ぜひともこのメディカルチェックでご自分の体調、健康状態をチェックしていただき、もし医師の受診、相談が必要と思われるときには、医師に相談し、ダイビングに支障がないかどうか? ダイビングを行うにあたり気を付ける事がないかどうか? を確認した上でダイビングを行う事をお勧めいたします。ダイビングを行うにあたり、すべての行為は自己責任において行われるものです。本人の体調不良により起こったトラブルについてはインストラクターや医師が責任を負えるものではありません。また、このメディカルチェックを行う事により、ダイビング中に身体的な問題が起こらなくなる訳ではなく、あくまでもガイドラインとしてご活用下さい。
皆様がいつまでもスクーバダイビングで海中世界を満喫し、生涯スポーツ、生涯の趣味、ライフワークとしてのスクーバダイビングを楽しんでいただけますように、このメディカルチェックをお役立て頂ければ幸いと存じます。
ダイブショップ ダイブドリーム
スタッフ一同

スクーバダイバーのためのメディカルチェック>

このメディカルチェックはダイビングを行うにあたり、現在の健康状態を把握するための物です。スクーバダイビングにおけるすべての行為は、自己責任において行われるものです。本人の体調不良により起こったトラブルについては、インストラクターや医師が責任を負えるものではありません。以下の質問に対して「はい」または「いいえ」のどちらかに○を付けて下さい。もし確信が持てない、または解らない場合には「はい」に○を付けて下さい。「はい」という回答は、安全に影響する病気または該往症があるかもしれないということです。
 * 文中の言葉の使い方について
1、「医師に相談する必要があります」
  医学的観点から見た場合、医師を受診すべきと考えられるものです。
2、「医師に相談した方が良いでしょう」
  医師を受診は必ずしも必要ないが、受診した方が良いと考えられるものです。

<質問欄>
質問1 現在または過去に、以下のような病気や症状がありますか?

1、偏頭痛(脈を打つような頭痛)をよく起こしますか? または、そのための予防薬を飲む事が有りますか?  (はい  いいえ)
 * 月二回以上偏頭痛を起こす方は「医師に相談する必要があります」
 * 痛み止めを内服しながらダイビングを行うときは「医師に相談する必要があります」

2、神経の障害(半身が動かなくなった、半身がしびれた、言葉がしゃべりにくくなった、突然目の前が真っ暗になった)を起こした事が有りますか?  (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

3、最近5年間に、頭をぶつけて意識を失った事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

4、てんかん発作やけいれんを起こした事がありますか? またそれらの発作の予防薬を飲んだ事は有りますか?  (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

5、乗り物酔い(船酔い、波酔い、車酔いなど)をしやすいですか? (はい  いいえ)
 * 短時間で、または極端に乗り物酔いをしやすい方は「医師に相談する必要があります」

6、中程度の運動(12分以内に1.6キロを走る)ができませんか? (はい  いいえ)
 * 中程度の運動とは、健康な大人の歩行速度は10分で約800m程度ですので、駆け足程度の早さとなります。この項目で「はい」の方は「医師に相談した方が良いでしょう」

7、高血圧と言われた事がありますか? または血圧を下げる薬を飲んでいますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

8、狭心症や心筋梗塞を起こした事がありますか? または心臓や血管の手術を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

9、不正脈、胸痛、労作時の息切れなど、発作的に起こる症状や病気がありますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

10、その他、心臓の病気が何かありますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

11、気管支喘息と言われた事が有りますか? または息が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」いう事がありますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

12、気胸(肺に穴が有く病気)を起こした事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

13、その他、肺の病気をした事がありますか? (はい  いいえ)
 * 過去に患った肺炎または気管支炎で、現在はその症状や後遺症が全くなければ、医師の受診の必要はありません。肺炎、気管支炎以外の肺の病気をした方は「医師に相談する必要があります」
 * 日頃から、痰や咳が出やすい方は、肺の病気にかかっている可能性があります。「医師に相談する必要があります」

14、胸の病気(肺の病気以外)や胸の手術を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

15、脱水、または下痢、嘔吐、吐き気をよく起こしますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

16、胃や腸に潰瘍が出来た事がありますか? または潰瘍の手術を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

17、腸の手術(人口門造設を含む)をしたことがありますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

18、首、背中、腰または四肢に痛みが有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談した方が良いでしょう」

19、首、背中、腰、または四肢に異常があり、治療を受けた事が有りますか?(はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談した方が良いでしょう」

20、骨折、捻挫、脱臼の経験が有り、現在もその後遺症が残っていますか? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」の方は「医師に相談した方が良いでしょう」

21、血管の病気(貧血、出血し易い、血液が固まり易いなど)や、血管の病気(血管が詰まる、または血流が悪くなるなど)がありますか? またはそれらについて手術を受けた事は有りますか?      (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

22、内分泌の病気(糖尿病または血糖値が高い、甲状腺の病気)を指摘された事が有りますか?      (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

23、精神病、不安障害(パニック発作、閉所恐怖症、広場恐怖症、神経症など)、行動障害(情緒的に不安定、注意がそれやすい、集団行動が出来ないなど)と言われた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

24、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)の症状を起こした事が有りますか? (はい  いいえ)
 * アレルギー性鼻炎の症状がひどい場合は「医師に相談する必要があります」

25、副鼻腔炎(蓄膿症を含む)、気管支炎(急性、慢性、アレルギー性)、または風邪をひき易いなどが有りますか? (はい  いいえ)
 * 現在副鼻腔炎を思わせる症状(透明でない鼻水、鼻づまり、鼻声、頭重感など)がある方は「医師に相談する必要があります」
 * 現在気管支炎を思わせる症状(咳、痰など)がある場合は「医師に相談する必要があります」
 * 風邪をひきやすいと思っている方の中には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息など呼吸器系の病気を持っている場合があります。「医師に相談する必要があります」

26、副鼻腔の手術を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

27、耳の病気(外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、内耳の病気など)、聴覚の異常(難聴、耳鳴りなど)、平衡感覚の異常(めまいなど)を経験した事が有りますか? (はい  いいえ)
 * 外耳炎/現在外耳炎の場合のダイビングは勧められません。過去に外耳炎で現在治っているのであればダイビングに差し支えありません。
 * 中耳炎、乳様突起炎/現在中耳炎の場合のダイビングは勧められません。子供の頃反復して中耳炎になった方は、鼓膜が薄くなっている可能性があり、耳抜きの際に痛みを感じること無く、鼓膜が破れることがあります。子供の頃に反復して中耳炎になった方は「医師に相談する必要があります」
 * 内耳の病気、難聴、耳鳴り、平衡感覚の異常(めまい)がある方は「医師に相談する必要があります」

28、その他、何か耳に関する異常(例えば気圧の変化による耳の痛みなど)を経験した事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は耳抜きが上手く出来ない可能性があります。「医師に相談した方が良いでしょう」

29、ペルニア(椎間板ヘルニア、ソケイヘルニア、食道裂孔ヘルニアなど)がありますか? または何かの手術を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * 椎間板ヘルニア/日頃から、痛みやしびれ等の症状がある方は「医師に相談する必要があります」 症状が無くなった方は医師を受診する必要は無いでしょう。
 * ソケイヘルニア/この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」
 * 食道裂孔ヘルニア/ダイビングをやめておきましょう。
 * 上記以外のヘルニアの方は「医師に相談する必要があります」
 * ヘルニアの手術を受けた事がある/「医師に相談する必要があります」

30、潜水障害(耳、副鼻腔、肺の気圧変化による外傷、および減圧症や動脈ガス塞栓症など)、または潜水事故を起こした事が有りますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

31、最近5年間に、薬を長期間服用した事が有りますか? または薬物依存、アルコール依存、麻薬の使用などがありますか? (はい  いいえ)
 * この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

質問2

1、現在服用中の薬が有りますか? (風邪や抗アレルギーの市販薬も含む) (はい  いいえ)
 * 現在薬を使用している方は、原則としてダイビングを勧められません。もしダイビング前後に服用するのであれば、医師から充分な説明を受ける必要があります。この項目で「はい」の方は「医師に相談する必要があります」

2、過去3ヶ月以内に何らかの医療を受けた事が有りますか? (はい  いいえ)
 * 医療の内容によってはダイビングに影響するかもしれませんが、風邪や気管支炎など、一時的な病気で完治していれば医師の受診の必要はありません。通院中または通院の必要がある方は病気がダイビングに影響しないか、逆にダイビングが病気を悪化させないかを知るために「医師に相談する必要があります」

質問3

1、BMI(Body Mass Index)が25以上ですか? (はい  いいえ)
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
例 体重60kg 身長170cmの場合 60÷(1.7×1.7)=BMIは20.761
 * この項目に「はい」とチェックしても、医師を受診する必要はありませんが、健康管理に十分配慮をする事が必要です。

質問4 学校、会社、地域で行われる健康診断(人間ドック含む)についての質問です。

1、最近一年以上健康診断を受けていませんか? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」とチェックした方は「医師に相談した方が良いでしょう」

2、医師に精密検査を勧められ、まだ検査を受けていない項目が有る? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」とチェックした方は「医師を受診した方が良いでしょう」

質問5 女性の方のみの質問です。

1、妊娠している可能性はありますか? (はい  いいえ)
 * ダイビングはお腹の子供へ影響する可能性がありますので、妊娠の可能性がある方は、妊娠していない事がはっきりとしてからにしましょう。また、妊娠中の方は、出産が終わり身体が十分に回復してからとし、ダイビングを開始する時期については、医師に相談しましょう。

2、月経前または月経中、特に体調が悪くなりやすいですか? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」とチェックした方で、鎮痛剤等を服用する場合は「医師に相談した方が良いでしょう」

質問6 45歳以上の方への質問です。

1、タバコを吸っていますか? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」とチェックしても、医師の受診の必要はありませんが、タバコを吸う事で身体的なトラブルを起こすリスクが高くなる事を知っておく必要があります。

2、血中コレステロール値が高いですか? (はい  いいえ)
 * この項目に「はい」とチェックしても、医師の受診の必要はありませんが、身体的なトラブルを起こすリスクが高くなる事を知っておく必要があります。

3、家族に心臓の病気、または心臓の病気でなくなった方はいますか? (はい  いいえ)
 * 親近者(4親等以内)に心臓病で亡くなった方がいる場合、同じような心臓病にかかりやすい傾向があります。この項目に「はい」とチェックした方は「医師に相談した方が良いでしょう」

質問7 ダイビングに参加するにあたり、身体の事で何か心配な事がありますか? (はい  いいえ)

 * 心配な内容な部位、症状よってはダイビングに支障をきたす可能性があります。この項目に「はい」とチェックした方は「医師に相談した方が良いでしょう」

以上、とても長い内容でしたが、スクーバダイビングで発生する身体的なトラブルを未然に防ぐために必要と現在考えられる内容です。該当する項目があれば医師を受診して、ダイビングを行う上で支障が無いかどうか? ダイビングを行う上で気をつける事が無いかどうか? 医師に相談してください。そしてこのチェックシートをご自身の健康管理にもお役立て下さい。また、このチェックを行う事で、スクーバダイビング中に身体的なトラブルが起こらなくなる事ではなく、あくまでもガイドラインである事をご理解下さい。
尚、ご不明な点はダイブドリーム(0557-53-4222/e-mail:d2@dive-dream.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。

 日本高気圧学環境医学懇話会
(財)社会スポーツセンター
(財)日本海洋レジャー安全・振興協会(DAN JAPAN)

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